――WALL・E/ウォーリー――

2008.12.15



出会いは、美容室の待ち時間にふと読んだ雑誌からでした。

「名前は、ウォーリー。
 700年間、ひとりぼっち…。」


こんなキャッチフレーズを聞いて、僕が飛びつかないわけなかったかもしれません。
その記事のライターはこう言います。
「最後には愛が大事だということを伝える映画」
何となく興味が沸いていました。

今回は僕の中で、久々の大ヒット映画、WALL・Eについて好き勝手にレビュっちゃいますっ!!ヽ(・ω・)ノ







一言で言いましょう!
この映画は…、「優しい映画」です。
この映画を見てどんなことを感じるか、それは人それぞれでしょう。
ただ僕が一番に感じたこと。
それは作品全体が発する「優しさ」なのです。




【公式紹介を見てはいけない】


僕は、普段映画なんて全く興味を持っていないので知らなかったのですが、
この作品、ディズニーの最新作として普通に有名だったみたいですね。
概要を知ってる人もかなり多いのではないかと思います。
だが、しかーーーーーし!!!
公式の紹介を見てはいけない!
絶対に見てはいけない!!!
あれは餌だ!大衆を釣る餌なのだよ!!
あれを見て気に入って映画館に行ってる時点で、既にお前は負けているッ!
このミーハーがッ!m9(^Д^)プギャー

僕は上記のように雑誌で偶然見かけて何の予備知識もなしにいきなり映画館に直行しました。
むしろストーリーについてけるかちょっぴり心配だったくらい。
更に時間の関係で、字幕がよかったのに、日本語吹き替えを見ることになってしまいました。
(字幕の方が製作者の意図がそのまま伝わるようで好き)
でもそれが大きく運命を変えました。
全く先入観のないまま映画に接することで、
自分で映画の伝える意味をありのままに受け取ることが出来たのです∩( ・ω・)∩


【WALL・Eは恋の映画ではない】


公式紹介では、こう伝えています。

700年間一人ぼっちだったゴミ処理ロボットが、初めて恋をする。
でも、彼女は人類の運命を決める大きな任務を背負っていて――。


あーほーーーかっ!!!!!!∩( ・ω・)∩
この映画が恋愛もの??お前の目玉は節穴かっ!( ゚д゚)、ペッ
「ロボットが恋をする」
安易なこのフレーズは、単なる客寄せのために作られたものに過ぎないですよ( ・ω・)
特にこの作品は、伝えることの重さ大きさの割に紹介を単純に安易に作られている気がします。
それは、最初の20分程度を見ていただければわかるはず。

淡々としたウォーリーの日常。
人がかつて使った日用品を愛し、収集し、
ゴキブリが一番の友達。
偶然見つけた植物に感動する。
ウォーリーが求めつづけていたものは、あらゆるものへの愛。
戦いつづけてきたものは、孤独。
恋とかそんな軽い薄っぺらなものじゃないのです。

イヴに出会う前の日常の描写は実に秀逸です。
飽きさせないために必要最小限に留めたのでしょうが、
あれが二倍の長さであっても、僕は十分に楽しめていたでしょう。
そもそも僕はイヴが女だなんて発想が最初からありませんでした。
紹介なんて見てませんでしたから。
ただ、他の人(ロボット)に初めて出会って、
ウォーリーは仲良くなりたくて仕方がないんだなって。
最終的には、たまたまそれが女の子だったんだなと感じました。

彼女の名前イヴも、スタッフロールで初めて知って、
僕は「ヒーヴァ」と勘違いしていました。
本当にそう聞こえるんですよ。ウォーリーが呼ぶ声を聞いていると∩( ・ω・)∩
イヴと言う名前を発することですら、
気持ちを込めすぎて「ヒーヴァ」になってしまう。
それがウォーリーの世界なのです。


【この映画の伝えたいこと】


この映画は、実に素晴らしいことを僕らに伝えてくれると思います。

 700年間と言う悠久の孤独
   ↓
 虫や植物や物や、全てのものが愛しい
   ↓
 初めて出会った人と仲良くなりたくて仕方がない
   ↓
 自分の家に招待してイヴにお気に入りのものを紹介しまくる
   ↓
 彼女は使命を全うするために再び宇宙へ
   ↓
 彼女と一緒にいたい一心で後を追うウォーリー


それを後から誰かが恋と呼ぶならそうなのかもしれません。
でも、それよりもっと大きな、ウォーリーが求める「愛」「心」というものが
はっきりはっきり表現されています。
その段階が全く無理なく、素直に見ている側の心に入ってくるのです。
断言しますよ。
作者が伝えたいのは「愛」であり「心」。
それは最初から最後まで子細にまで一貫して貫かれています。

ただただお互いを呼び合うウォーリーとイヴ(僕の中ではヒーヴァ)。
ウォーリーが大好きな古臭いテープに録音されたダンスの映像と音楽。
それを聴いただけで、僕は、この映画が伝えたいことのすべてを感じることができる気がします。
でもそれすらこの映画の一部の演出に過ぎないのだ!
中身が濃い! 濃すぎてこのレビューにもマジで全く書ききれてないぞ!
なんて恐ろしい子・・・!!( ゚д゚)


【僕が感じたこの映画の「優しさ」とは?】


僕がこの映画でいい意味で感じた予想外の出来ごと。
それは、この映画が優しさの塊でできていることです。
作中には、運動も仕事もせずだらけきった29世紀の人間達が登場します。
そんな世界に飛び込んでハチャメチャにしてしまうウォーリー。
僕は人間達が本気でウォーリーに激怒し駆逐しようとする
テンプレストーリーを想像しましたよ(・〜・)
でも、驚くほどに人間が優しいんだよね。
ジョンもメアリーも、艦長も。
驚くべきほどに純粋なのです。
しかも無理がない。
これは一重に製作者の綺麗な心をそのまま表しているのだろうな。
ウォーリーも、イヴも、人間達も、ゴキブリや植物も。
そのすべてが僕にとっては優しさの塊。
みんなが協力して未来を見ていくのです。


【最後に】

僕がこの映画を見ていて、自分を重ね合わせたのは言うまでもありません。
ウォーリーの気持ちは痛いほどわかるし、
僕がその立場だったら、やっぱりイヴにものすごく惹かれたでしょう。
あまりにも登場人物たちが人間らしすぎますよね。
もしかしたら、自分の中で一番の映画になっちゃうかもしれないなー。
出逢いにただただ感謝!∩( ・ω・)∩

ホントのホントに、大好きです ^−^


2012.10.10 追記

この記事は、もう4年近く前に書いたものです。
当日は今よりずっと感受性が強くて、アンテナが張っていて、
自分が一番大切にするものが何なのかが分かっていたと思います。
今読んでみても、自分自身、はっとさせられることが多いです。

今はまた違う意味で、感受性は働いています。
そう、あの時より、欲張りで怖がりで、ぼんやりとしていて。
でも、穏やかに静かに抱きしめられる。
そんな自分になったなぁと思います。
年齢も大きいのかもしれませんね。


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